●No.11 アーシングケーブル装着
- 実施日:2005.03.05
- 所要時間:約3時間
言わずとしれたアーシングに手を染めることになりました(笑)。
アーシングの効果の程については諸説様々でありますが、経験から言えば過去乗り継いだ車への施工で、
・古い車+良いケーブル(自作品)=効果が大きい
・新しい車+安物のケーブル(既製品)=効果が皆無
と言う実績があり、新しい車にはあまり効果はないとの思いこみから、躊躇しておりました。しかし、
・新しい車+良いケーブル=???
と言う組み合わせの興味が捨てきれなかったこともあり、構想(妄想?)約半年、ついに購入を決めました。
■製品について
今回取り付けるのは、VOLKSWAGEN MANIACSで皆様おなじみ「MANIACS Direct」扱いの、『ウルトラ パワーアース』です。 プラグコードも手がけた、永井電子謹製のブツ。一流品は初めてなので、期待もふくらみます。 |
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ご存知の通りLUPO GTI はリアバッテリーなので、エンジンルームからラゲッジスペースまで別途ケーブルを這わせる必要があります。 左図の左側がそのケーブル。22スケの極太です。右側がエンジンルーム内を這わせるケーブルです。両方合わせて約1.6kg! キットの出来はさすがにしっかりしています。取説も記載は最低限の内容ですが、まあまあ親切です。 |
■事前準備
ラゲッジスペースの床面を持ち上げ、バッテリーカバーを外します。 バッテリーのマイナス端子も外した方が万全ですね。 ただ、自分は外しませんでした。ECUリセットによる効果と、製品の装着による効果を取り違えないようにするためです。 ちなみに左図はバッテリーのマイナスケーブル。元々結構太めのケーブルでアースされています。 |
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室内側は、リアシートの座面自体を外してしまいます。 (外さなくても大丈夫かも知れませんが、外した方が作業は楽です。) 座面を繋いでいる部分を、左図のように押してたわませてやれば外せます。 |
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続いてサイドブレーキグリップ下のカバーを外します。 ツメの箇所は左図の緑丸の位置(5箇所)です。 |
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今度は左図の緑丸位置のトルクスネジ(2箇所)を外し、運転席下側のパネルを外します。 | |
運転席シートレールのカバーも外した方がいいです。 後部座席側から、フロアトンネル側のカバーを外します。 ネジ穴に丸い蓋が付いているので、安全ピンのような先のとがった物で、引っかけるようにして取ります。 その後トルクスネジを外し、カバーを手前(車体後ろ側)にずらせば外れます。 シートを事前に一番前にずらしておきましょう。 |
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室内からエンジンルームへケーブルを通すために、バルクヘッドのメクラ蓋を外します。 画像だと分かりにくいですが、運転席側、エアクリボックスの奥にあります。 外すのは簡単ですが、室内側に落とさないよう手前に剥がすようにして外しましょう。落ちるとどこに行くのか分かりません。 あらかじめエンジンカバーを外しておき、ボンネットは開け放しておきます。 なお、エンジンカバーの外し方はDIY3 オイル漏れチェックを参照して下さい。 |
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外したメクラ蓋は、ケーブルと同じくらいの穴を空けておきます。 大きく空けすぎないよう注意。 |
■作業工程
室内ケーブルはリアシートを起点に、エンジンルームに這わせる側と、ラゲッジスペースに這わせる側の作業を行います。 長いケーブルなのでねじれやすいです。この点に注意しながら作業を行います。 ※左図ではリアシートが付いた状態ですが、気にしないで下さい。 また本手順は、構成の都合上 実際に私が行った順番とまったく同一ではないことをお断りしておきます。 |
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まずはラゲッジスペースの側から。リアシート背もたれの下を通して、ラゲッジスペース床面の下からケーブルを出します。 背もたれを倒すと圧迫されるかもしれませんが、今のところ大丈夫みたいです。 |
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うまくケーブルを取り回し、端子をバッテリーのマイナス端子の近くに置きます。 おあつらえ向きの穴が空いているので、左図のように配線してみました。 なお、マイナス端子への接続は最後に行います。 |
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続いて車内の取り回しを。 リアシート座面下のカーペットが切れている部分から、ケーブルを通します。 カーペットを持ち上げるようにして、中央部分から運転席側シートレールの方に向かって這わせます。 ただしケーブルを押し込むだけでは到達しませんので、手を突っ込むようにしてうまく通しましょう。手が小さい方が楽かも。 |
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うまく通すと、左図のような感じでシートレール下にあるカーペットの切れ目からケーブルを出すことができます。 | |
ちなみにケーブルは、左図 緑色の線のイメージで這わせます。真ん中より運転席寄りなのがポイントです。 カーペットの真ん中部分はボディに接着されているみたいなので、それを避けて通すようになります。 |
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今度は、レールの部分からサイドブレーキレバーの下側にケーブルを出します。左図 緑色の線のイメージでカーペット内を這わせます。。 カバーで見えませんが、サイドブレーキレバー下にもカーペットの切れ目がありますので、そこからケーブルを出します。 ケーブルを出したら、事前に外しておいたサイドブレーキグリップ下のカバーの所までケーブルを引っ張ります。 |
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引き続きケーブルを這わせます。ここからはカーペットの下を通す必要はありません。 一度シート下にケーブルを出し、センターコンソールにケーブルを押し込むような感じで這わせ、運転席足下まで持って行きます。 なおセンターコンソール前端の部分は、プラ部品が噛み合ってる感じになっています。 ここはうまく外してやりましょう。壊れない程度に引っ張れば大丈夫です(画像がないので説明が難しいですが・・・)。 |
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ここまで来たら、運転席下からのぞき込むと、外しておいたエンジンルームのメクラ蓋の所から光が見えまので、ここめがけてケーブルを押し込みます。 (エンジンルーム側から誰かに引っ張ってもらうといいと思います。) うまく通せたら、ケーブルが動かないよう適当な所にタイラップで固定しておきましょう。 取説にも書いてありますが、クラッチペダルにケーブルが干渉しないように注意が必要です。 |
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バルクヘッドの穴から出したケーブルを、取説にしたがって這わせます。また、メクラ蓋に穴を空けてケーブルを通し、バルクヘッド部に元通り蓋をします。 なお取説の通り、、水漏れ防止のため市販のコーキング剤(ホームセンターで500円前後で購入できます)を塗布し、メクラ蓋をはめ込みます。 その際、ケーブルが動くことにより、せっかく塗布したコーキング剤が剥がれてしまう恐れがあるので、少し乾くのを待ってタイラップでメクラ蓋を固定することをオススメします。 |
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あとはエンジンルーム側のケーブルを各アースポイントに配線します。しかしアースポイントの公開はダメのことなので、配線行程は省略します。 最後に、外しておいた室内のカバー類を元に戻し、ラゲッジに配線したケーブルの端子をバッテリーのマイナス端子に接続して作業は完了です。 |
■所感
*取り付けについて
まず取り付けについてですが、それなりにDIY好き・工作好きで、かつこういった作業に慣れていないとつらいかもしれません。
というのも、やはり室内のケーブルの敷設(特にカーペット下への敷設)が厄介です。私は手が傷だらけになりました。
あと室内〜室外(エンジンルーム)のケーブル通しも,処理の仕方次第では雨漏りなどの原因になりうるだけに、少々敷居が高いのかなと感じました。
ですがDIY・工作好きの方であれば、こういった苦労も楽しみの一つと割り切って楽しめると思います、多分。
実際の所、面倒ではありましたがさほど難しくはありませんでした。前述の通り、取説もそれなりに親切と思います。
とは言うものの、試行錯誤しながら3時間少々かかりました。まぁ、ナビを綺麗に付けるよりは楽でしょう。
あと、夏にはやらないほうがいいですね。ナビのときにも感じましたが、炎天下での車内の作業はかなりキツいです(車庫などがあれば違うかも)。
もしDIYでの取り付けを検討されるのであれば、今の季節(春先)が一番いいと思います。
*効果の程について
やっとの思いで取り付けたわけですが、結論から言うとほとんど体感できませんでした(何度か付けたり外したりしてみたんですけど・・・)。
やはり車自体が新しいことと、純正のマイナスアース線が結構太いことが関係しているのだと思います(それだけノーマルが優秀と言えるでしょう)。
そんな中感じることができたのは、
・走行中のエアコンON/OFFの影響が小さくなったこと
・アクセルをオフにしたときの回転落ちが、若干早くなったような気がすること
と言ったところです。
ただ前者については、温度設定を最低にしなかったこともあり、コンプレッサー負荷があまり大きくなかったのかもしれません。
後者についても「気がする」レベルであり、断言はできません。
いずれもプラグコードの時に同様のことを感じており、私にはこの程度しか体感できない、と言う可能性が非常に高いです (T_T)。
*まとめ
と言った感じで、正直なところ期待はずれの感は否めませんでした。
もちろん極端な変化を期待していたわけではないですが、もうちょっと体感できる変化が欲しかったのが本音です。
しかしながら、いわゆる一般的なチューニングと対比してアーシングのいいところは、「デメリットが(ほぼ)全くない」と言うことだと思います。
(いわゆるROMチューンや吸排気チューン・ターボ車のブーストアップなどのように、安全マージンを削る代わりに明らかな効果を得られる手段とは対称的。)
私の場合、体感的な効果はあまり得られませんでしたが、電気的な面で何かしら良い影響が出ていると思われます。
これにより、車を使う上で避けて通ることのできないハーネス及びボディ(※電気の通り道としてのボディ)の、経年劣化による電気的影響を抑える効果があると考えます。
つまり、予防保守的な効果が期待できると言えるのではないでしょうか。
あくまでパワーアップではなく、本来の意味のチューニング[=調律]を目的として装着するのならば、(体感効果の差はあれども)付けて損はないと思います。
あとは、費用対効果をどう捉えるかがポイントと言えるでしょう。
■参考サイト
「FindingLupo」: VWルポandGTI カスタムファイル 「ルポGTI、プラグコード作りました」他
■関連リンク
- 製品メーカー:「永井電子機器」
- 購入先:「MANIACS Direct」 ・・・ VOLKSWAGEN MANIACS内コンテンツ
2004.4.10公開